彼女の世界が変わらぬ理由

「一年が来たから、休憩入っていいよ。柚木さん、お昼もまだでしょ?」

「でも…」

「いいから。先生、お願いします」

「はいはい。さあ、柚木くん。行こうか」

「え…っ」


飛田に腕を取られ、立ち上がる。

するとその席に、素早く控えていた後輩が座った。


「行ってらっしゃーい」


ヒラヒラと手を降る小湊に、マリアはありがとうと呟いて、飛田に続き教室を出た。

廊下も客で賑わっている。


「さっき生徒に食券をもらったんだ。色々あるから、どうぞ選んで」

「…どうも」


まさか飛田と二人で食事をするのか。

落ち着いて食べられるだろうかと考えながら、渡された食券を見る。

軽食を出している地歴教室は、昼の時間を過ぎていることもあって、席が空いていた。

< 25 / 79 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop