彼女の世界が変わらぬ理由

「そうかい。別に強制ではないけれどね。当日の似顔絵当番だけは、やってもらわなければならないが」

「それは仕方ないからやります」


部に所属している限り、そういった活動もしなければならないことは覚悟している。

去年も一昨年もやったことだ。

出来ないわけではない。

ただ気が進まないだけ。


「仕方ない…か。僕個人としては、柚木くんの絵以外の作品も、見てみたいところだがね」

「何にもならないですよ。あたしには、才能ないから」

「そうかな? 一つのものに打ち込み続けることが出来るのは、立派な才能だと僕は思うけどね」


マリアの後ろから、絵を覗き込む飛田は楽しげに囁く。

この人は嫌いだ。

そう思うのは、何度目だろう。

マリアは飛田の顔を横目で見て、内心ため息をついた。



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