彼女の世界が変わらぬ理由
『皆さんから見て右側から順に、新しくなっていきます。作者は女性なのですが、彼女は十年前からこれらの絵を描いていたそうです』
十年前。
十夜の脳裏に、ある情景が浮かぶ。
いや、まさか。
これは何かの偶然か。
『一番右手が、作者が中学一年生の時のもの。その次が…』
しかし、何だろうかこの感覚は。
懐かしくも愛しい。
次から次へと、久しく忘れていた感情がよみがえってくる。
『さて皆さん。この絵が少しずつ変化しているのがわかりますか?』
一枚一枚が写真であるような絵。
完全に世界を静止させたようなその画面。
青空の下、舞い上がる雪の中に堂々と立つ桜の木。
なぜこの絵がここに?
そう混乱するよりも前に、十夜の意識は十年前の冬へと飛んでいた。
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