Bitter Sweet
気がつけば、私達は自然と。

どちらからともなく、手を繋いでいて。

しばらく弓道場を眺めていた。



するとふいに昂くんが口を開き、

「…他のトコもグルっと回ってみる?」

聞いてきたけど、私は首を横に振った。

「ううん、大丈夫。なんか…胸がいっぱいだから。」

「…そうだな。出ようか。」

手を繋いだまま、私達は駐車場へとゆっくり向かった。


オレンジ色をした夕焼け空が、
昔と何も変わらず、私達2人を包み込んでいた…。

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