Bitter Sweet
けれど、なかなか高梨が帰ってこない。

人混みの中にいるおかげか多少は寒さを凌げているけど、底冷えする感じはどうにもならない。

なんだかんだ、高梨の温もりが寒さを紛らわせてくれてたんだな、と今更ながらに思う。


お参りの順番も、少しずつ前に進んではいるけどあと30分以上はかかりそうだ。
そんなに大きな神社ってわけでもないのにこの日ばかりは人でごった返している。



高梨まだかなぁ、と後ろをキョロキョロ見渡すと、彼らしき姿をようやく見つけることができた。


ホッとしたのも束の間、
高梨の周りには女の子達の群れが出来上がっていて、私はココだよ、と手を振るタイミングを完全に逸してしまった。


バッと前に体の向きを直し、どうしたものかと思案する。


会社のコがあの中にいるかもしれない。

そう考えるとヘタに声はかけられないし、顔も出せない。

仮に会社とは関係なくて、逆ナンしてるコ達だったとしても、私はその前に出ていく勇気なんて持ち合わせていない。


こんな時ばかりは、高梨のモテッぷりに参ってしまう。

会社で見慣れてる光景だけど、外でもなんだ、と付き合い始めてからかなり驚いた。

2人で街を歩いてる時も、女の子達が振り返って高梨を見るのを何度も目撃していて。


なんでこんなモテ男と付き合ってるのか、自分でも分からなくなりそうになる。
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