Bitter Sweet
はぁ、と溜息をひとつ吐くと、後ろからフワッと包むように腕が私の腰を捉えた。


驚いて、「わっ!」、と小さく声を上げると。

ヒョコッと私の肩越しに高梨の顔が現れる。

「ごめん、お待たせ。寂しかった?」

ニヤッと笑って私の腰から腕を外し、隣にスルッと入り込む。

「屋台も結構並んでてさ。おしるこなんか行列出来てて、遅くなっちゃったよ。」

言いながら、手にぶら下げたレジ袋には色々入っていて、それらを見せてくれる。


「お疲れさま。並んでる間に引っかかったわけね、あの女の子達は。」


何でもない風に言いながら、袋の中からおしるこのカップを取り出し、他の物にも目をやる。

中には、たこ焼きと中華まん。
ホットのペットボトルでお茶が入っていた。


「なんだ、見てたんなら助けてくれればいいのに。」

言いながら、高梨はたこ焼きのパックに手を伸ばし、一つ頬張り始めた。

「困ってたの?あしらうの慣れてるだろうと思って。」

自分のモヤモヤを誤魔化したくて、おしるこをすすりながら答えたけれど、少しだけ口調が冷たくなってしまったのを自分でも感じる。


「…そりゃまぁそうだけど、困ってはいたよ?…ていうか、なんか怒ってる?」

高梨は私の態度から何か感じ取ったらしい。
顔を横から覗き込まれて、一瞬、ジッと高梨の瞳と視線をぶつけたけど、

「そんなことないよ。」

と言いながらすぐ、目を逸らしてしまった。
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