Bitter Sweet
「ひかりはオレが思ってるよりずっと我慢してくれてんだよな。なのに、オレは我慢が足りねーな、って思って。」

「…何をそんなに我慢できなくなりそうなの?」

「言わないよ。くやしーから。」

「はぁ?わっけわかんないなーもう。」

ムッとして前に突き出してるひかりの口唇をチュッと啄ばむ。

「…何よ、もう。」

「要はさ。オレはひかりに参ってんだなーって話。」

きっと、ひかりはオレのだぞってことを周りにアピールする事で、ひかりを誰かに奪われる不安から解放されたいだけなんだ。

ガキくさい、独占欲。

オレにこんな感情があったとは。

ホントに色んな初体験をさせてくれるな、この人は。

じっとひかりを見つめ、怪訝な顔をしている彼女の鼻をカプっと甘噛みしてやった。

「イタっ!なんで噛む…むむ?」

苛めてやりたい衝動に駆られたオレは、

突然ひかりの唇を貪った。
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