Bitter Sweet
「こんなとこで言うなって拗ねてたの誰だよ?」


ひかりの髪を撫でつけながら、耳元でオレは囁いた。


「いつか絶対言うから。ちゃんと。だから、今はまだ言わないでおく。」


「…いつか?」

「うん。期待してていーよ。」

オレの気持ちは揺るぎないから。

遠い未来も、オレの隣にいて欲しいのは、この人だけだ。


「ココ、もう少しだけ空けといて。オレが埋めるその時まで。」


ひかりの左手を取って、薬指をキュッと掴んだ。


すると、ひかりは潤んだ瞳でオレの首に腕を巻きつけ、唇を重ねてくる。


そしてオレの首元に顔を埋めて呟くのが聴こえた。


「空けといてあげる。」


ギューっと抱きついてくるひかり。

直接触れる肌が吸いつくように感じられて、心地いい。


うん。

どう考えても、離れるなんて無理。


こんなに一緒にいて自然体でいられて、

何度、身体を重ねても飽きない。


…すげーヒトだ。


出会った頃は、こんなに大事な存在になるなんて、考えてもなかった。


それが今は…。

ひかりが隣にいないなんてもう、想像出来ない。


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