Bitter Sweet
*****

ーー数週間後。


「高梨~、今週末合コンやるんだけどお前来いよ!」

同じ職場の先輩、峰さんからの誘いだった。

「…スンマセン、用事あってムリっす。」

丁重に断ったが、まぁ峰さんだ。
追撃が止むわけない。

「なんだよ、用事って!大体、お前オンナいないんだろ?だったらいーじゃねぇか、たまには!」

「いや、その…。」

バラすチャンスかな、と思っていると突然、峰さんが隣の席に話題を振った。

「なぁ有田、そう思わねぇ?、おれのために女の子いっぱい紹介してくれたっていーくらいモテるくせにさー。」


有田さんは、斜め向かいのオレをチラッと見た後、ため息を吐きながら峰さんに向き直る。


「まぁまぁ。高梨を好きな女の子が峰さんに振り向くわけないですし。高梨だって、彼女いないって言ってるけど、いないわけないじゃないですか。」


ぶふっとオレの隣から笑いが零れた。

…ひかり、そのタイミングで笑うなよ。当の本人が。

確かに、有田さんの的確な峰さんイジメには目を見張るものがあるけど。
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