新宿トライアングル
不覚にも……俺があっためてやりてーとか思ってしまった。
年上なはずなのに、守りたいって思った。
悔しいけれどおそらく、雑誌を見て読者の奴みんながそう思ってるんだろう。
なんかもうその日は、一日撮影に集中出来なかった。
だってさ、上半身裸で背中合わせにポーズ取れ、とか。
いくら優亜がウェルカムでもさ、俺には無理だっつーの。
汗ばんじゃいけないって思えば思うほど、背中からは汗が噴き出る。
そんな俺を見て、優亜はタオルを投げながら
「緊張し過ぎ。あ、俺が汗かかないタイプなだけか」
なんて屈託なく笑った。
この日、気付いてしまったんだ。
俺の優亜に対する想いは憧れや尊敬じゃない。
完全に……恋だって。