魅惑のキスネコ!【完】

「ポパイは
本当はすごく人懐っこいの。
でもね、なぜか
ジンにだけは懐かないんだよね」

サヤカちゃんに抱かれた
ポパイの頭を撫でながら言う。

「うーん。
なんでですかね・・?
不思議。」

「さぁ・・。
あたしにもわかんないや」

嫉妬してるから、だなんていえない。
サヤカちゃんには悪いけど
さらっと流した。


ひとしきり撫でられると
ポパイはピクッと動き
サヤカちゃんの手から逃れる。

「あっ。ポパイ」

そのままリビングから出て行ってしまう。


「ふふ、多分天敵が帰ってきたんだよ。」

あたしは立ち上がり玄関に向かった。
同じタイミングでドアベルが鳴る。

ジンが帰ってきた。

さやかちゃんは
最初は半信半疑だったけれど
玄関を開けて笑い出す。

「わぁ。本当だっ!
本当にお兄ちゃんだった!
凄すぎるよポパイー」

きゃっきゃと笑う妹に
ジンは苦笑いをして言った。

「何の事か、
聞かなくても僕には分かるよ」


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