魅惑のキスネコ!【完】
家には、もちろんジンは帰っていなかった。
暗い部屋の中が
あたしを一掃落ち込ませた。
シュンは早々に電気を付け
あたしを玄関に下ろす。
そして何も言わずあたしの靴を脱がせ、
そしてまた抱き上げるとリビングのソファまで運んだ。
「シュン、こんなに力あったんだね。」
「あぁ、身体鍛えてるからね」
開いていたカーテンを閉め
散らかっているものを片付けだす。
そんな彼の姿を
あたしは不思議な気持ちで眺めていた。
家族でも、ペットでもない。
血の繋がりもない赤の他人が
あたしの家の事を全部知っていて
それが当然なこの状態。
違和感のない違和感があたしを襲う。
「みゃぁー」
ネコの声がして
あたしははっとする。
ソファの傍にポパイが来ていた。
「っ・・ポパイッ・・!!」
ポパイを抱き上げ
ぎゅっと抱きしめる。
あぁ。ポパイ。
この子は本物のポパイだ。
「ポパイ君にも、迷惑かけたよな。
ごめん」
シュンが後ろから
ポパイの頭を撫でた。
ポパイは気持ちよさそうに
目を細める。
「シュン、お願い。
何がなんだか分からないの。
わけを話して欲しいの。」
あたしはシュンに振り向き
その瞳を見つめた。
シュンはパッと目を伏せる