永遠(とわ)に果てぬ愛



彼女と深町が、声をそろえて驚いた。

直輝は、横でため息を吐いている。

直輝にとって、あらかた予想通りだろう。

何かを言おうとした深町を、直輝が止めていたから。


嫌だけど、オレと直輝は似ているから。

欲しいモノを手に入れるなら、手段は選ばない。



「何であなたと結婚なんて……」



条件が気に入らない、というより理由が分からないのだろう。

オレが彼女にそう言う理由が。

過去を覚えていない彼女にとって、何の接点もないオレに言われたのだから。



「嫌か?嫌なら、弟と2人で路頭に迷うか?
いつまでも、深町の家にいれないだろう?」



そう言うと、彼女はそれ以上、何も言えなかった。

と、言うよりもぐっとこらえた感じだ。




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