永遠(とわ)に果てぬ愛



「僕は、それが聞けて安心しました」



聡さんが、優しい目でオレを見ながらそう言う。

この人もオレと一緒で、誰よりも和奏を心配しているんだ。



「今回の家出については、私にも責任はある。本気で潰しにいこうか」



父が冷たく笑う。

こういう時の父は、身内でも怖いものがある。

相手は、全てを失ったな。地位も財産も。

まぁ、もうないに等しいけど。



「失礼します。社長、みなさん揃われました」



ノックと同時に社長秘書である女性が入って来て、そう告げる。

その時に、オレの携帯が鳴る。

それは、拓海からのメールだった。



《姉さん、発見しました。今、莉奈さんが説得中》



そのメールを見て、ようやく安心した。




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