Weekdayも会いたくて
「やっぱりここに居た」


開けっ放しの寝室のドアの前に立っていたのは、紛れもなく先ほど思い浮かんだただ1人の人。そんなことがあるはず無いと否定したただ1人の人。


「…………俊」


愛しい人の名前を呼ぶと、目の前の彼は嬉しそうに微笑んだ。


そして、少しずつ私の元へと近づいてくる。


布団を急いで剥がし、身体を起こて、ベッドから抜け出して、近づいてくる彼に思い切り抱きついた。


欲していた人が、今目の前にいるんだ。我慢できなかった。


「……なんで…どうして……」


背中に回わされ抱きしめ返してくれる力強い存在に、涙は止まるどころか、どんどんと溢れてくる。なんで、どうして、それ以外の言葉は出ず、それだけを繰り返した。


「俺も会いたかったから」


頭上から聞こえる優しい声。


「知美、目を閉じて」


彼に言われた通りに目を閉じると、抱きついていた身体を離されてしまった。


寂しいと感じたけれど、近くに感じる彼の存在に安心させられた。


何も喋ってくれない彼に、どうしたんだろうと疑問に思っていると、左の手にひんやりと冷たいものを感じた。


「もう開けていいよ」


そう言われ、目を開き1番に自分の左手を確認した。


「……う…そ……」


左の薬指。そこで、今までなかったはずのものが輝いていた。


彼が、指輪をはめてくれていた。

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