俺様王子様に振り回されて
・・・・・・仲良くね?


つか、なんでそんなに楽しそうなんだ?





不思議に思っていれば、森井に引っ張られ、いつの間にか屋上に着いた。



え、早っ!






屋上は、もうすぐ昼休みが終わることもあり、誰もいなかった。



つまり。


私と森井の貸切状態だ。






森井はフェンスに寄りかかるようにして、あぐらをかいた。



「弁当」


そして私にそう命令する。



あぁ、やっぱりなんて俺様な奴っ・・・


しみじみ思いながらも、持ってきた弁当を、森井に差し出す。





兄貴が使っていた、黒い2段の弁当箱だ。


柄はない、黒いだけのシンプルな弁当箱。




私は、森井の正面にあぐらをかき、自分の紺色の2段弁当を置いた。



私の弁当箱もシンプルで、紺一色で柄は無い。


けど、さすがに森井のよりは小さい。






森井は、手を合わせて言った。


「いただきます。」




あ、意外と礼儀があるんだ。


とか失礼なことを考えつつ、私も手を合わせる。




「いただきます。」







パカッと弁当を開けた。



上の段には、卵焼きと唐揚げ、青菜のおひたしとかが入ってる。


下の段には、おにぎり。具は、昆布と梅。






私は森井が卵焼きを口に入れるのを、じっと見た。



今更だけど、コイツってお坊ちゃんだったんだよな・・・


口に合うのか?私が作った卵焼き・・・。





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