繋がる空の下、繋がらない電話
『悪い、恵利。もう行かなきゃ』
「ん。電話ありがとう」
涙を拭ってそう言うと、小さなリップ音が耳に届いた。
『ちゃんと好きだからな』
「……私も好き」
素直な言葉が溢れだして、電話の向こうは一拍あけてから電子音に変わる。
会えないのは悲しい。
電話が繋がらないのも寂しくて堪らない。
だけど、気持ちを確認しただけで、随分心が軽くなった。
窓を開けて、冷たい冷気を浴びながら空を眺める。
少し田舎な私の地元は、ちゃんと星が見える。
ねぇ、あなたも同じ星が見えますか?
繋がってる空の下、彼に伝えたい言葉を考える。
当日は無理だけど、三連休は一緒にいようね。
あなたを待ってる時間は、プレゼントを選ぶのに熱中しよう。
そうしたらきっと、寂しくても我慢できる気がするから。
クリスマスイブじゃなくても、クリスマス当日じゃなくても、
一緒に過ごせる時間が、私には最高のクリスマスだよ。
【fin.】


