Place of the fate〜運命の場所〜
・・・・・いや、隣に梨花がいる時点で無理か。
案の定、隣にはこっちに向かってくる聖さんとあたしを交互に見ながら、目を輝かせている梨花がいた。
「あれ、今日はひとりじゃないんだ」
梨花の方をチラリと横目で確認した聖さんはそう言った。
「は、はい!!あたし、林梨花って言います!!昨日はバイトで一緒に帰らなかったんですけど、いつもは一緒に帰ってます!!」
「お、おう」
ズイ、と体を寄せすごい勢いでそういう梨花に、少しだけ後ずさる聖さん。
「梨花、早く行くよ。じゃないとまた明日質問攻めになる」
梨花の腕を引っ張り連れて行こうとすると、
「あ、ちょい待ち。名前教えてよ」
と聖さんは言った。
「はぁ!?なに女子高で生徒ナンパしてんですか!!さっさと仕事を、」
「七瀬咲でーす!!」
「梨花!?」
勝手にあたしの名前を言った梨花に勢いよく振り返る。