Always
おかしな話だと、僕は思った。

もう彼女のことを考えなくなったのに、どうして今また彼女の顔が浮かぶようになったのだろう?

「だから、フーゴは好きなんだろ?

その人のことが」

「――いや、だから…」

首を横に振って否定しようとする僕に、
「なあ、フーゴ」

七緒が人差し指を僕に突き出した。

いつもの彼だ。

さっきまでの弱いところはウソだったのだろうか?

「俺がマーサに告白したら、フーゴもその人に告白すること。

いいだろ?」

七緒はニッと笑った。
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