Always
「えっ…いや、ちょっと待て」

「はい、決まりー」

七緒はパンと手をたたいた。

「いや、決まりって…」

そもそも僕はうなずいてもいない。

それ以前に、芹沢さんのことだって…えっ?

「じゃ、おやすみー」

「あっ、ナナ…」

僕の声なんか届いていないと言うように、七緒は部屋を出て行った。

好きって…誰が誰を?

僕が芹沢さんを好きだって?

「まさか、そんな…」

七緒にからかわれているだけ…だと思いたい。

だけど、その事実を否定できない僕がいる。
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