Always
「ソファーに座って、テレビでも見ていてください。

私、今から用意しますので…」

何だか新婚さんみたいなセリフだ。

風吾さんと結婚したら、こんなセリフを毎日言うんだろうな。

そんなことを思いながら私はコートを脱いでハンガーにかけると、キッチンへ向かった。

「萌さんの得意な料理でいいですよ」

風吾さんが後ろから声をかけてきた。

私の得意な料理…って言っても、本当に最近――エリーさんと一緒にガトーショコラを作ってから料理を始めたので、レパートリーは少ない。

冷蔵庫を開けて、材料の確認。

ケチャップとマヨネーズとペットボトルのお茶と水、紙パックの紅茶とオレンジジュース。

後は3日前にエリーさんからおすそわけしてもらったきゅうりの浅漬けと大根とかぶの葉っぱの漬け物。

今日は外で風吾さんと一緒に食べると思っていたばっかりに、材料はこれだけだった。
< 211 / 303 >

この作品をシェア

pagetop