Always
「それ…」

恵の手のひらを指差した僕に、
「ああ、今日フーゴの家に行っておばさんに頼んで出してもらったんだ」

恵が言った。

「フーゴのベビーリングだよ」

恵はそう言って、僕に手のひらを出すように促した。

僕は彼の前に手のひらを出した。

恵は僕の手のひらにベビーリングを置いた。

僕の誕生石であるサファイアの宝石がついたベビーリング――間違いなく、僕のものだった。

「えっ、どうして…?」

恵が何で僕の家に行って、母親に頼んでベビーリングを出してもらったのだろう?

彼の行動がよくわからない。
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