メロンジュース
手袋をしていなかったと言うこともあって、すっかり冷たくなった手が温かくなる。

「冷たいな」

その声に視線を向けると、メグだった。

温かくなった手に視線を向けると、メグの手とあたしの手が繋がれていた。

えっ?

どう言うこと?

「はぐれたら危ないだろ。

マーサだって迷子の呼び出しに頼る年齢でもねーんだし」

メグはそう言った。

しゃべるたびに吐きだされる息が白いのは、相当なまでに気温が低いらしい。

「年齢でもねーって…」

まあ、確かにそうだけども。

メグと手を繋いで、何気に嬉しいと思っているあたしは一体何なのだろうか?
< 119 / 143 >

この作品をシェア

pagetop