龍神様との恋愛事情!
そういえば、辰年の時だけ、この神社は迫力のある大きな龍の置物を外に出していたっけ。
白い龍で、「お顔が怖い」っておばあちゃんと話しながら一緒に見た記憶がある。
「あっ、いけない!思い出に浸ってちゃダメだ。おばあちゃんを探さないと」
目的のおばあちゃんがいないことを確認して、踵を返そうとした時だった。
「おや?若い女の子がいる!私がここに来て初の若い参拝者だな」
社殿の方から男性の声がした。
………え?
社殿に誰かいる?
しかも「若い女の子」って、私のことを言ってる?
私は声の主を確認するため辺りを見回した。
けれど、誰もいない。
おかしいな。
空耳かな?
「何をキョロキョロと。挙動不審な子だね」