龍神様との恋愛事情!

しばらくの間、千早様は黙り込んでいた。

ひんやりとした風に千早様の薄茶の髪がなびく。

傾き始めた日の光に輝いて、とても神秘的。

私は千早様の考えが知りたくて、彼の黒い瞳を覗き込んだ。

すると――。



「おばあさんが龍化してもいいのなら、沙織の願いを叶えよう」


心臓がドクンと高鳴った。


「ただし、君のおじいさんにも龍化のことを話すんだ。おばあさんの未来もね。話した上で、それでも治してほしいと言うのなら……その時は私が責任を持って、願いを叶えてあげるよ」


おじいちゃんに全てを打ち明ける。

千早様の出した条件。

確かに、おじいちゃんには知る権利、それに決める権利がある。


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