龍神様との恋愛事情!
また来るのかな?
あれだけ威嚇されたらもう来そうにないけど…。
「沙織」
「はい?」
呼びかけられて見上げたら、バチリと目が合った。
そういえば…抱っこされたまま。
かなり至近距離。
千早様の端整なお顔が目の前に…。
「……っ」
私は思わず、あからさまに俯いてしまった。
「ん?どうした?沙織?」
問い掛けながら千早様は社殿の方へと舞い降りる。
「俯かないで、私に可愛い顔を見せてごらん」
「か、可愛く、ないです」
「私は可愛いと思うよ?伊吹だって沙織が可愛いから手を出したんだよ」
「そ、それはないです!だって…可もなく不可もなくって、言われたし…」
はっきり言われたからちゃんと覚えてる。
「あいつ、そんなこと言ったのか」