龍神様との恋愛事情!

「全く…君は人のことよりもまず自分でしょ?左腕、見せてごらん」


言われるがまま、私は左の袖をまくった。


「ん……やはり進んでるね」


手首からひじの間全体に鱗は広がっていた。


「痛みは平気?徐々に痛んでくるはずだよ。特に骨が」


「骨?」


「龍になろうとしてるんだ。骨が変形しようと軋み出す。かなり辛くなるよ」


それって、龍化が進むにつれ痛みがひどくなるってことじゃ…。

考えてゾクリとした。


「まあ、だから伊吹の行動も理解できなくはなかったんだよね。早く龍化を防いだ方が痛くないし。けど、いきなり私達の世界に放り込むのは無情だろう?」


「はい…。私はまだ大丈夫です。そんなに痛くもないし」


「でもいずれタイミングを見て連れて行くよ。私が迎えに行くから、伊吹が来てもついて行っちゃダメだからね」


< 103 / 564 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop