龍神様との恋愛事情!
「君の名前は?書いてみて」
そう言って、私にポンと小石を渡す。
どうしよう。
変な人じゃないよね?
名前教えるくらい、大丈夫だよね?
「………こう、です」
私はガリガリと地面に「沙織」と書いた。
「さ…おり…沙織か。良い名前だね。響きが好きだな」
ニコリと微笑まれ、不覚にもドキリとした。
美形の笑顔は心臓に悪い。
「沙織、君はなぜ私のことが見えるんだい?もともとそういう質なのか?それとも…」
彼の指先が私の頬を撫でる。
「すでに、誰かに触られたのかな?」
言われた言葉の意味がわからず、私は首を傾げた。
「あの…見えたらおかしいんですか?」
失礼かな、と思いつつも聞いてみたらとんでもない答えが返ってきた。