龍神様との恋愛事情!
着物は…お正月だからかな?
着物男子か。
意外とカッコイイかも…って、そんなことよりも!
「すみません、失礼します…!」
私は一礼して駆け出した。
美形青年よりもおばあちゃんだ。
ここまで来たから、お寺の方も探してみよう。
私は鳥居をくぐり、歩道に出る――はずが。
「待ってよ。つれない子だね」
なぜか首根っこをグイッと掴まれ、神社へ逆戻り。
「え!?ちょっ…!」
そのままズルズルと社殿まで引きずられた。
「若い女の子な上、お話しできるのに逃がす馬鹿はいないよ」
え?何それ?
どういうこと!?
「私はチハヤ。漢字はこう書く」
彼は私を離すと地面にしゃがみ、適当な小石を持って「千早」と書いた。