龍神様との恋愛事情!

「何かとは、失礼な」


千早様がムッとした表情でお母さんを真正面から見据えた。


「ごめんなさい千早様!悪気はないんです」


「ふっ、わかってるよ」


すぐに笑顔を返してくれたけど、どうしよう…。

このままじゃ、お母さんが信じてくれない。

何か…何か………って、そうだ!


「千早様!字が書けるんですから何か紙に書いて下さい」


「え?書くのかい?私が?」


なぜかここで千早様のお目々がパチクリ。

私、そんなに突拍子もないこと言ったかな?


「神様の字か。見てみたいな!沙織、是非書いてもらえ。紙とペンならここにあるから」


お父さんが軽く言ってくれた。

テーブルの上にちゃっかり紙とペンの用意までしてくれる。


「千早様、お願いします」


私が頭を下げると…。


「……では、書くか」


千早様はペンを持った。

何を書くのか、みんな興味津々。

さらさらと紙の上をペンが舞う。


お母さん達はまずペンが宙に浮いたことに驚き、続いて書かれた文章に口をあんぐりと開けた。


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