龍神様との恋愛事情!

「フィナンシェ、ですよ」


「ふぃなん、しぇ?」


私はクスリと笑った。

なんか、舌足らずな千早様って可愛い。


「ふぃなんしぇ…フィナ、んしぇ…フィナンシェか。よし、覚えた」


フィナンシェを知らなかったってことは、龍の世界にはフィナンシェはないんだね。

となると、これが食べ納めかな。

いっぱい食べとこっかな…。

釘刺されたけど…。



こうして私のお腹の半分をフィナンシェが占めることとなった。

そのおかげでお母さんに怒られたり、夕飯が少なめになったりしたけど、そんなことは些細なこと。

より重大なことは、お母さんのありえないセリフだった。


「あら、泊まってもらいなさいよ?明日また呼びに行くの面倒でしょ?」


今夜、千早様は神社に帰らない。





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