龍神様との恋愛事情!
何だったの…?
伊吹様は、私を助けに来てくれた…?
「沙織…もう大丈夫かい?」
静かに千早様が近寄ってきた。
「あ…はい」
聞いてみようか。千早様に。
「千早様、私…何で痛みが消えたんでしょう?」
「それは……伊吹の血を飲んだからだよ」
「伊吹様の…血?」
あの時ごっくんしちゃった、あれのせい?
「伊吹の血はね、君の龍化を抑える唯一の薬なんだよ」
薬!?伊吹様の血が?
「左手を見てごらん」
言われるがままに私は左手を見た。
そこには…。
「えっ!?嘘!ない!痣が消えてる!」
手の平、甲まで鱗に侵食されていたはずなのに、白い痣は跡形もなかった。
気になって袖をまくると、腕の鱗もすっかり消えていた。