龍神様との恋愛事情!
「心配ないよ。水は単なる媒体だから、濡れることはない」
媒体?
よくわからないけど、濡れないならいいか。
千早様を信じよう。
「さて、気持ちの整理はいいかい?心の準備はできたかな?」
千早様が私とおばあちゃんを交互に見る。
「はい。大丈夫です」
「お願いしますねぇ」
返事を聞いた千早様は軽く頷くと、ひょいと私達を小脇に抱えた。
「ひゃあ!?」
「失礼。すまないね、二人同時に連れていくにはやむを得ないんだよ」
右腕でおばあちゃん、左腕で私のお腹を抱え、脇にガッチリと挟み込む。
荷物のような運ばれ方だけど、千早様の言う通り、仕方ないのかも。
というか、連れてってもらうのに文句を言える立場じゃない。