龍神様との恋愛事情!
「私みたいに人間とよく関わる龍は、ここでも人間の姿をしていることが多いよ」
「そうなんですか…。ところで…どこに向かってるんですか?」
私の質問におばあちゃんも知りたそうな眼差しで千早様を見上げた。
「黄龍が住む山のふもとだよ。そこに人間が暮らせる屋形があるからね。ほら、見えてきた。あの山のふもとだ」
真正面に現れた巨大な山。
巨大過ぎて、私は目を丸くした。
「何…あの山…」
その山は、山頂が見えなかった。
天へ天へと、どこまでも高くそびえる不思議な山。
雲を突っ切り、空の青に吸い込まれてなお、頂上が見えない。
「あの山は転生山(てんしょうざん)と言ってね、頂上は天の世界へ続いていると言われているんだよ」