龍神様との恋愛事情!
「兄上!!やっとお帰りですかっ!」
階段から誰かが降りてきた。
くせっ毛の短い金髪に、パッチリとした黒い瞳。
水色の着物をまとった、カッコイイというよりも可愛い印象のある青年が、プリプリ怒りながら千早様の前で止まった。
「あ、若月(わかつき)。ただいま。御役目ご苦労様だったね」
「ご苦労様ではありませんよ!やっと帰ったと思ったら、また人間を連れて!しかも二人!?面倒見切れるんですか!」
「大丈夫だよ。私は父上のようにはならないからね」
千早様はさっき見せたような苦笑いをした。
それから私とおばあちゃんに向き直る。
「紹介するよ。私の弟、若月だ。何か不都合があったら遠慮なく若月に言うといいよ」
「ちょっ!兄上!?また僕を使い走りにするきですか?あいつらの我が儘で僕は手一杯ですよ!」