龍神様との恋愛事情!
言われるがままにお邪魔する。
外見が金ぴかだから中も…なんて考えていたけど、そんなことはなく。
玄関から廊下を見る限り、壁は板の間の床と同じで木の色。
廊下に隣接する部屋は和室のようで、障子は基本の白だ。
「靴はここで脱いで。下駄箱はそこだよ」
私とおばあちゃんは玄関で靴を脱ぎ、下駄箱にしまった。
下駄箱を覗くと、私達の他に靴が二足置かれていた。
女物と男物が一足ずつ。
私達以外に男女二人が住んでるらしい。
どんな人達かな?
「この屋形は三階まであって、一階は主に共同スペースだよ」
草履(ぞうり)を脱いだ千早様が廊下を歩きながら話し出した。
「二階が個人部屋で、三階は……私の部屋、かな」
この時、なぜか千早様は苦笑した。
けれど、すぐに柔らかい微笑をつくった。
「まずは二階に案内しよう。どの部屋を使うか決めるといいよ」
どこまでも真っ直ぐで長い廊下。
その突き当たりにある階段を目指して歩く。
すると――。