龍神様との恋愛事情!
私が言葉を探していると、朱美ちゃんは階段脇にある部屋の襖をカラッと開けた。
「香織おばあちゃんは階段から近い方が良いよね?この部屋が空いてるからここ使って」
「そうねぇ。有り難く使わせてもらおうかしら」
「後は奥の部屋しかないんだけど、沙織ちゃんいい?」
「うん。いいよ」
こうして私の部屋は二階奥の和室に決まった。
空き部屋だったせいか、備えつけの家具は少なく、鏡台と机しかない。
「布団は……押し入れの中か」
一旦おばあちゃんと別れ、一人で押し入れのチェックしていたら千早様が部屋に入ってきた。
「沙織、何か入り用のものはあるかい?何でも言って。用意させるからね」
「それなら、もう朱美ちゃんが若月様に頼みに行きましたよ」