龍神様との恋愛事情!
「沙織?私がわからないって、どういう意味かな?」
「あ…いえ。何でもないです。忘れて下さい」
馬鹿だな、私。
無意識に出た自分の言葉に動揺してる。
何なのかな?
この妙に落ち着かない、モヤモヤとした気持ちは。
私はギュッと手で胸を押さえた。
すると、千早様は何を勘違いしたのか慌てた様子で私の顔を両手で上向かせた。
「まさか、痛むのかい!?龍化が進行した!?」
「ち、違います。大丈夫ですよ」
こっちに来てから龍化の痛みは襲ってこない。
左の手首で進行も止まっているようだ。
「そうかい。ならいいよ。けれど近いうちにもう一度、伊吹から血をもらった方がいいね。かなり緩やかだけど進行はしているはずだから」