龍神様との恋愛事情!

そして、こう続けた。


「不愉快だ。お前を殺せるものなら殺してしまいたい」


伊吹様の物騒な発言に、私の肩がビクリと跳ねる。


「黄龍、忘れるな。沙織は俺のだ」


そう口にすると、突然伊吹様の身体が光り出し、数秒後、彼は龍の姿になった。

全身が白く輝く、巨大な白龍。

闇夜に浮かびあがる白が儚く美しく、幻想的だ。


伊吹様はちらりと私達を見ると、無言で飛び立った。

白蛇のように身体をくねらせ天翔ける龍神様。

私はその姿が小さくなるまで、ただ見つめていた。








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