龍神様との恋愛事情!
「それは…言われて当然ですよ」
ついポロリと本音が漏れた。
しまった!と思ったけど後の祭り。
千早様は私の声を聞き逃さない。
「当然とは、どういう意味かな」
「……だって、千早様は私のこと…」
好きか、嫌いか。
その二択しかないのに、わざと曖昧なふうに答えを濁した。
なんなの?
「好きになりたいと思う」って。
言葉にしないでギンッと千早様を睨むと、どうやら私の言いたいことに気づいたらしい。
千早様の瞳がせわしなく動き、私に注がれていた眼差しは滝の方へ逃げてしまった。
「えっと…だね。あれは…その…」
じれったくなるような反応の後、千早様は恐る恐る言った。
「昨日の昼間、沙織は…私のことがわからないと言っただろう?」
確かに、言った。
そう、あれは…朱美ちゃんの過去話をしていた時。