龍神様との恋愛事情!
「千早様!?」
そんなところに乗って、危ないんじゃ…。
と思ったけど、龍神様だもん。
飛べるから大丈夫だよね。
「沙織、静かに。私は君以外には見えてないということ、忘れないで」
ハッとした。
確かに、やたらと大声で会話できない。
私が不審者になっちゃう。
「私と話がしたいなら、また君を塒山神社へ連れて行くけど、どうする?来るかい?」
私は黙ったまま小さく頷いた。
「よし!決まりだね。おいで」
「おいで」と言われた瞬間、私はまた龍神様の腕の中にいた。
抱きかかえられ、塒山の山頂を目指してぐんぐん上昇していく。
みるみる小さくなる降龍神社の社殿。
遠ざかる町の音。
聞こえるのは風と、彼の息遣いのみ。