龍神様との恋愛事情!
私が意識を取り戻した時、周りの人達はすごく喜んでくれた。
一緒に遊んでた男の子なんて、私に抱き着いて号泣。
謙一郎さんによく似たくせっ毛が特徴の彼は、良かった良かったと何度も繰り返した。
その訳は……。
「う、そ……文ちゃんが…死ん、だ?」
「間に合わなかったんだよ。文は溺れて死んだんだ…」
「嘘よ!!そんなっ!!嘘だぁ!!」
「嘘じゃない。お前だけでも生きてて、本当に良かった…!」
文ちゃんが死んだ。
溺れて、死んだ。
私は、どうして助かったの?
私は――。
――今、助けてやる
意識が闇に落ちる直前聞いた声。
あれは誰だったの?
ぐるぐる考えても全然わからない。
とりあえず私は、助かったことを神様に感謝するため塒山の麓の降龍神社へお参りにいった。