龍神様との恋愛事情!

「あの…ところで、その方はどなたですか?白龍様のお知り合い?」


「ああ…この土地の産土神だ」


産土神!?


「降龍神社は彼を主神として祀っている神社の一つ。級長津彦命(しなつひこのみこと)がここへ来るのは数年に一度だ」


「なら全国巡って神様を探すんですか!?大変ですよ!大丈夫なんですか?」


「案ずるな。俺は白龍。龍の中で最速を誇る。三日で北から南まで飛んでみせよう」


私を抱き寄せたまま不敵な笑みをくれる白龍様。

けど、すぐにそれは曇った表情になった。


「……俺はお前の方が気掛かりだ。三日、俺の血を飲まねば鱗はかなり広がるだろう。痛みも増す。堪えられるか…?」


「はい!私なら大丈夫です」


私は大丈夫。

だから三日間、おばあちゃんとお母さんの看病をしながら待っていよう。

白龍様のことを信じて…。






< 434 / 564 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop