龍神様との恋愛事情!



 夢を見ていた。


川の水底で一人、溺れそうになりながら白龍様を待つ私。

息のできない苦しさ、辛さ。

必死に足掻いても水面に浮かび上がることができない。

徐々に募る死への恐怖。


(怖い怖い怖い!!助けてっ!白龍様!白龍様っ!!)




――今、助けてやる




唐突に白龍様の声が聞こえた。

重くて沈んでいた私の身体が軽くなり、次第に息が楽になる。


(白龍、様…?)



「桜、もう大丈夫だ」


ハッキリと耳元で囁かれた。


(白龍様?)


これは本当に夢なの?


「よく堪えたな。辛かったろうに…」


優しく頬を撫でられた。


「白龍様!?」


その感覚に飛び起きる。

けれど、夢から目覚めた私の傍には、白龍様はいなかった。



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