龍神様との恋愛事情!
伊吹様は大きく頷いた。
「来世でも沙織の傍にいる。それが俺の望みだ」
「伊吹様…」
伊吹様の顔を見上げれば、揺れる翡翠の瞳とぶつかった。
「沙織……共に、良いか?」
少し自信がないような、不安そうな声。
なんでそんなに情けない表情をしてるんですか?
今頃になって私が「ダメだ」なんて、言うと思ってるんですか?
「伊吹様がそう決めたなら、私は止めません」
「沙織…」
頬にそっと伸ばされた伊吹様の冷たい指先。
私は甘えるように擦り寄った。
「本当は……ちょっぴり怖くて…心細かったんです。だから、嬉しい……ありがとうございます」
少し弱音を吐いたら、身体をギュッと抱きしめられた。
「案ずるな。怖くない。………俺がいる」
はい……伊吹様。