龍神様との恋愛事情!
お母さん達が出掛けた午後。
私はおばあちゃんと居間で写真を見ていた。
「これが私のお母さん。おばあちゃんの娘の詩織(しおり)だよ」
「へぇー」
「こっちは私のお父さん。おばあちゃんはあんまり馴染みがないかもね」
昔のアルバムを開いて思い出を語る。
少しでも思い出を取り戻してほしかった。
これは私のエゴなのかな?
でも…
たとえエゴだったとしても、私は話すよ。
おばあちゃんとの記憶をなかったものにしたくないから。
「ところで、どちら様だったかしら?」
「私は沙織。おばあちゃんの孫だよ。この写真に写ってるこれが私。あ、おじいちゃんもいるね」
温泉旅行に行った時の写真が出てきた。
「わかる?ユウおじいちゃん」
「ゆう…?」
「うん。おじいちゃんの名前。夕星(ゆうずつ)だから」