龍神様との恋愛事情!
「沙織!留守番よろしくね。今からお父さんと病院行ってくるからっ」
慌てた様子でお母さんがやって来た。
「おじいちゃん、どうしたの?」
「さっき、吐血したって…容態が悪化したから、来てほしいってお医者さんが…」
う…そ…。
「わ、私も!私もお見舞い行きたい!」
「沙織にはおばあちゃんのことを頼みたいの。残ってちょうだい。お願い」
「………っ」
何も、言えなかった。
確かに、私がお見舞いに行ったからって、おじいちゃんがよくなるわけじゃない。
なら、おばあちゃんと一緒に待っていた方が…お母さん達の役に立てる。
「……いってらっしゃい」
小さな声で見送った。