龍神様との恋愛事情!
あまり遠くに行かれると私じゃ探しに行けない。
地元の人間じゃないからあんまり地理に詳しくないし。
闇雲に走って見つけたところで、私も帰り道がわからないっていうオチになりかねない。
「どうしよう……どうしよう…!」
不安だけが増していく。
「そうだ!ケータイ!」
とりあえず、私はお母さんに電話をかけることにした。
連絡すれば、お母さんが何か指示をくれるはず。
パニック寸前な私よりも、的確な判断でおばあちゃんの捜索をしてくれるはずだ。
私は急いでボタンを押した。
でも、出ない。
焦って三回くらいかけたけど、結果は同じ。
「そっか…病院にいるから電源落としてるのかも」
ならメールだ。
私はメールを打ちながら、のろのろと道を進んだ。