龍神様との恋愛事情!
千早様に嫌われたくないって思ってる自分がいる。
だから、願い事を躊躇うんだ。
願い事目当ての軽い女の子って思われて、失望されたくなくて…。
そっか……私、良く思われたい程度には、千早様のことが好きなんだ。
愛とかじゃないけど、千早様に惹かれてる。
意識……してる。
でも――。
私はちらっとおじいちゃんの顔を見た。
千早様に願いを言ってみようか。
まだあんまり実感わかないけど、どうせ私は後一週間くらいしか、ここにいられないみたいだし。
なら、最後に……おじいちゃんとおばあちゃんの願いを叶えてあげたい。
可愛がってもらった二人に…それくらい、役に立ちたい。
私は心を決めて病院を後にした。
家に戻ったのは午後三時。
それから私は一人で塒山に向かった。