龍神様との恋愛事情!



 千早様はまた降龍神社にいた。

社殿に寄り掛かるようにして立っている。

私は鳥居の外からその姿を確認して、ゆっくりと近づいた。


なんで、いつもここにいるのかな?

塒山神社が千早様の神社だよね?



「千早様」


小声で呼んだら彼はすぐに気づいてくれた。


「沙織?毎日会えるなんて嬉しいな」


明るい笑顔。

やっぱり千早様は素敵な神様だな。


「なんで私が来るたび降龍神社にいるんですか?塒山にいなくていいの?」


「産土神の代理と言ったでしょう?降龍神社のシナ様の代わりに、人間の願いを聞いてあげるんだよ。シナ様が戻って来られた時、お伝えするためにね」


「え?でも、千早様だって願いを叶えられるんじゃ…」


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